2008年 01月 31日
大きなリボンのお話
むかーし。まだ1stがアコ時代のお話です。
ある日ギルメンの騎士子さんが倉庫整理していて
「あげる」っていって大きなリボンをプレゼントしてくれました。
おしゃれ装備どころか実用装備すら店売り装備だった頃、すごく嬉しかったのを覚えています。
さて、たまり場の近くにいつ頃からか
リズと髪色ちがいの商人さんがちょこんと座るのを目にするようになりました
しばらくして、彼女に隣ギルドのエンブレムがつくようになりました。
容姿が色違いだった縁で、二人で一緒にリボンを装備して
双子のように並んでお話をするようになりました。
彼女の夢は『グラストヘイムで露天を出すこと』
リズの夢は『自分の名前入りのポーションをつくれるようになること』
時は流れリズのほうが一足先に夢をかなえるためにアルケミストに転職し
へぼい成功率ですが、なんとか自分の名前入りポーションが作れるようになった頃、
たまり場で彼女の姿を見かけなくなっていました。
彼女には結婚を約束した騎士さんがいました。
彼も連絡の取れなくなった彼女をずっと探して・・でも待ちくたびれたのか
しばらく経つと、別の人に好意を寄せるようになっていました
半年くらい過ぎた頃、ひょっこり彼女が現れました。
急なリアルの事情でずっと接続ができなくなっていたこと
そしてこの先も接続できるかどうかわからないので
本日付でアカウントIDを消去すること
装備も全部知人にあげるなど処分して
最後、私たちとギルメンと騎士さんにお別れをいいにたまり場にきたのでした。
ネカフェからの彼女の時間は限られていたので
すぐに手分けして騎士さんを探してひっぱってきました。
別れ際、私は彼女に「リズの白ポーション」を渡しました
「おめでとう。夢を、叶えたんですね^^」彼女は微笑むと
自分の装備していたリボンをはずして私にそっと手渡しました。
『このリボンだけはこの子と一緒に消そうと思ってたんです。
でもリズさん、よかったら持っていってください』彼女はそう囁きました。
しばらく考えてから、私は自分の装備していたリボンのほうを彼女に渡しました。
彼女はちょっと驚いたようでしたが、にこりと笑って私のリボンを頭に飾ると、
ゆるりと立ち上がりました。
「いつか、ラグナロクをまた始めたら、この子と同じ名前の商人にします。
だから、見かけたら私だって分かってくださいね」
そして
さようならのログと
青い柱を残し
私のリボンを連れて
彼女はこの世界から姿を消しました。
モニターのこちら側で
ぼろぼろ涙がこぼれてとまりませんでした
おせっかいだったかもしれませんが、騎士さんに彼女のリボンを渡しました
傍らに新しい相方を連れていた騎士さんに言えない言葉が、
彼女にもあったんじゃないかって
リボンを受け取った騎士さんは言葉を失いました
そしてややあって、
そのリボンは彼女にプロポーズの言葉とともに
プレゼントしたものだと教えてくれました。
最後の瞬間、たった一つだけ持っていこうとしていたアイテムに
どれほど意味があるか
半年間つなげなかった、彼女が
どれだけそのリボンを大切に思っていたのか
騎士さんはそのリボンをラグナが終わるまで絶対に手放さないと誓ってくれました。
ふと思い出したそんな遠い日の情景…
いつか、また彼女に会えることがあるとすれば
きっとあのお城で会える
心のどこかでそんな気がしています。
by RinnaR
| 2008-01-31 00:19
| RO-LOKI